近年、労使のトラブルが合同労組に持ち込まれるケースが増えています。合同労組は、企業を解雇された労働者や、労働条件に不満を持つ労働者が加入して、労働者と企業との間に起きたトラブルを解決する労働組合ですが、労働組合の対応に慣れていない企業にとっては、対応に苦慮する場合があります。今回は合同労組の対応についてまとめてみました。
■突然の団交申し入れ■
ある日突然、「○○さんは、△△労組の組合員となりました」「団体交渉(団交)を申し入れる」という内容の文書が合同労組から届くときがあります。この文書には、団交事項の記載のないものや「組合員の労働問題に関する諸問題」などと、抽象的な記載になっていることがあります。このような場合は、そもそも団交の応諾範囲か否かを判断するため、また企業側に心当たりがある場合は、論点をより明確にするために、団交事項を具体的に明示するよう書面で申し入れることになります。
■日時指定■
団交申し入れ時に日時と場所が指定されていることがあります。特に指定された日時まで日数がない、場所は組合事務所、など労組側の有利な形になっていることがあります。しかし、このまま受諾してしまっては準備不足だったり、長時間にわたり拘束されるなど、企業にとって不利益が予想されます。このような場合は、書面によって協議の申し入れを行い、双方都合のつく日時で、公共施設の会議室、時間帯も長時間にわたらない、などの環境で協議に臨むことがよいでしょう。
■議事録への署名■
団交終了後に「議事録です、署名願います」などと、労組側が企業側の出席者のサインを求めることがあります。しかし、タイトルは「議事録」であっても、「労働協約」 になってしまうことがあります。「労働協約」 は、就業規則より強力な労使の約束事になりますので、このような時は「社内に持ち帰って検討する」と回答し、団交の場で署名はしないようにします。
これ以外にも「出席者の確認(会社の代表者は出席しない)」「録音の有無の確認」など、準備の怠りがないようにします。