懲戒処分としての始末書の提出を労働者が任意に提出しない場合に、業務命令として提出を強制することは可能でしょうか。判例では提出を強制することはできないと解釈されているケースが多いようです。具体的には「始末書の提出は懲戒処分を実施するための命令であって、業務上の指示命令ではない」と判断されています。しかし「始末書」というのが「労働者が非を認め謝罪する」というものであれば前記の通りですが、事案の経過報告を求める「てん末書」として文書の提出を求めるのであれば業務命令として提出させることも差し支えないとした判決があります。