ハローワークへ求人を依頼すると、「年齢制限はできません」「男子のみの採用はできません」などと、説明を受けることがあります。このように法律で制限されていることは書面等で明示されていますが、それ以外にはどのようなことがあるのでしょうか。
■結果的に・・・■
前述のように、「年齢制限の撤廃や性差別募集を禁じられていることは理解しているが、結果として一定年齢以下の人、女性のみ(あるいは男性のみ)の採用になってしまって問題ないか」と、尋ねられることがあります。これらの制限は、「機会の平等を求めているもの」ですから、結果として偏りが生じたとしてもそれが違法となるわけではありません。なお、雇用対策法では、技能・ノウハウ等の伝承の観点から、特定の職種において年齢制限を設けることは可能とされています。
■採用時の健康情報の入手■
企業は、 業務に支障をきたすような持病を抱えているような人を採用できないと考えるのが一般的ですが、採用面接時等に持病や既往歴について回答を求めても問題はないのでしょうか。
職業安定法では、「社員の募集にあたって、業務の目的の達成に必要な範囲内で個人情報を収集することができる」と定めています。近年はメンタル面での不調を訴える人が多くなっているので、採用後のトラブルを防ぐためにも事前に調査・確認しておくことが望ましいでしょう。また、業務上特別必要がないのに特定の疾病に関する情報収集をすることは禁止されています。
■内定・内々定後の不採用■
内定や内々定の通知後に、企業業績悪化などにより、それを取り消さなければならないことがあります。
内定は、解約権留保付労働契約と解されていますので、内定を取り消す場合は整理解雇の四要素が適用されると考えられます。一方、内々定は、雇用契約関係が成立していないと解されますので、内々定の取り消しには、内定のような制限はありません。しかし、いずれの場合もその人の人生を左右する一大事ですので、誠実な対応を行う必要があることは言うまでもなく、場合によっては金銭の支払いも検討する必要があるかもしれません。