一般的に「秘密保持義務」とは、企業の営業上の秘密を承諾なく使用または開示してはならない義務と解されており、“在職中”と“退職後”に分けて考えられます。在職中の秘密保持義務は、判例でも“労働者は、労務を提供するにどどまらず、それに付随する義務として使用者の正当な利益を侵害してはならない義務を負う”と示されており、労働契約や就業規則に定めがなくても、秘密保持義務を負っていることになります。一方、退職後については、仮に就業規則にその旨定めても“効果がない”という考えと「退職後も秘密保持義務があることで、在職中に秘密を開示できる」という考えに分かれています。